ディーゼルエンジンの今後
アウディのディーゼルエンジン搭載車が、昨年のルマン24時間耐久レースで、ガソリンエンジン搭載車を抑えて総合優勝したときは、ディーゼルエンジン搭載車に目を向けるべきと思ったものだが、欧州での事情は、そんなに単純ではないようだ。
今回の記事で、排ガスさえクリアすればディーゼルがいいという単純なものではないということが分かった。
何事もバランスが大事。
そして、小型で魅力ある車を望みたい。
欧州では、過去30年間に培った技術で、十分なパワーと良好な燃費性能を持つディーゼル車が普及したが、二酸化炭素の排出量削減目標の達成が困難なのも事実だ。そこで今回は、VWとメルセデスを中心に、彼らが考える新しい“ディーゼル車戦略”をリポートしよう。
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第9回 ディーゼルエンジンの今後
ディーゼルエンジンがどんなに普及しても、それだけでは問題は解決しない。というのは、ガソリンエンジンに比べてディーゼルエンジンは製造にかかる コストが50%以上も高いのである。今後ますます強化される排出ガス規制は、ディーゼルエンジンに大量の白金使用を強いることになるし、埋蔵量が限られて いる白金を使う以上は、コストが下がる余地はない。さらに新世代のディーゼルに不可欠な「ピエゾ・インジェクター」のコストも、通常のモノよりも驚くほど高い。CO2排出量削減では有利なディーゼルエンジンであるが、コストはさらに高くなることが懸念されている。
もう1つの問題は、そのものずばり、エネルギー問題だ。現在、ドイツではディーゼル車が急速に普及したため軽油が不足し、ロシアから輸入している。一方、余ったガソリンは海外に輸出しているので、その輸送の段階でCO2が排出されてしまう。VWのエンジニアは「ガソリンとディーゼルがほどよくバランスすることが必要」と述べている。このようにディーゼル車が普及した欧州では、次なる新しい課題に取り組む必要があるようだ。
・・・燃費性能はどうだろうか。初代ゴルフの燃費が7リッター/100kmであるのに対して、ゴルフ5では同6リッター/100km。計算すればすぐに分かるが、15%ほど“進化”したにすぎない。つまり30年かけても、燃費性能はあまり向上していないのである。
初代ゴルフの車両重量は800kgと軽い。今の軽自動車と同程度の重さだったのだ。こうした現象はゴルフのディーゼル車だけの問題ではない。すべての自動車が「より大きく」、「よりパワフル」になっているからだ。
昨年夏に市販化された1作目の「BlueMotion」はポロである。1.4リッター、4気筒ディーゼルエンジンを積み、CO2排出量は102g/kmと優秀だ。ルポの3リッターカーは既に製産を廃止しているので、この「ポロ BlueMotion」が事実上、世界で最もCO2排出量が少ないかもしれない。
今回の記事で、排ガスさえクリアすればディーゼルがいいという単純なものではないということが分かった。
何事もバランスが大事。
そして、小型で魅力ある車を望みたい。
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